小児科医療の問題点その2

もう1つ小児科医療の問題として挙げられるのが、小児科医の賃金体系についてです。
病院の小児科に対して魅力を感じられないことが小児科医不足を招いている要因でもあります。
病院に勤務している小児科医の待遇が悪すぎて魅力を感じられないそうです。
病院で低賃金で過酷な状況の中働いているよりも、個人で開業していった方がはるかに収入は良くて夜間診療もしなくて済むからです。

 

特に患者が多くて必要とされる小児科の夜間診療ですが、医師は夜間も睡眠がとれることを前提として働いています。
そのため夜間勤務の翌日も平常通りの勤務をしなければいけません。
しかし実際には小児科の夜間救急では患者が多すぎて、医師はほとんど眠ることができません。
病院で夜間診療を行っているところでは、労働基準が守られないのはもはや当たり前のこととなってしまっています。
小児科の夜間診療は、こうした小児科医の法定外な過重労働と善意によって成り立っているのです。
小児科の当直料は、夕方6時から翌朝7時ごろまで13時間働いたとして、交通費込みで3万円から5万円です。
これはベテランでも新人でも関係なく大体相場となっている金額です。
これを高いととらえるのか安いととらえるのかです。
小児科医は、こうした待遇の悪さと、地位の低さと、少子化における将来の見通しの悪さによって、希望する医学生の数が減少しています。
そのため各大学において小児科医の数は増えずに、労働条件だけが過酷になっていくという悪循環に陥っているのです。

 

低賃金で医師を雇い、小児科の夜間診療を行っている病院はもうかっているのではないかと思うでしょうが実際はそうではありません。
夜間診療を運営していくためには、看護師、電話対応の事務員にかかる人件費、診察による材料費などを計算すると赤字になるそうです。
当直に好んで来てくれる医師はいないため、頼み込んで依頼しなければいけません。
自ら希望して当直に来てもらうためにも、当直料の増額についても考えていかなければいけません。
小児医療を続けていくために、診療報酬体系を見直すこと、小児科医の賃金を見直すことが必要なのです。

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